相模原の事件をめぐって 9月13日

 ある通所施設でお会いしているまちこさんは、お会いするなり、時折、涙をぬぐいながら、このような文章と詩を書きました。

  長い間泣き続けていましたが、ようやく話せてうれしいですが、私はまだまだ悲しみが癒えません。津久井やまゆり園の事件以降、私はまったく夜に寝られなくなりました。どうしても仲間のことが悲しくて、もう一度時間を逆戻ししたくなりましたが、どうしようもありません。つい昔のことを思い出すとまったくそんな不安はどこにもなかったのに、呼んでももう返事は返ってこないのだと思うと、夢でいいから亡くなった人たちにはもう一度戻ってきてほしいと思います。
 ずっとそんなことを考えていたらとても悲しくなってきたのは、津久井やまゆり園の人たちにもみんな言葉があったはずだと気がついたからです。理解のできない人を殺したということだったけれど、ほんとうはみんなすべてを理解していたのではないでしょうか。だからずっと悩み続けています。なぜそのことについて誰も新聞やテレビで語らないのでしょうか。私はとてもつらいです。犠牲者の魂が泣いているのではないでしょうか。もっと亡くなった人たちにも言葉があったのではないかと議論をしてほしいです。わざわざ何もわからないうちになどという説明を聞くと、何だか私たちにもその言葉は向けられている気がしてつらいです。だからみんなの魂にほんとうの安らぎを取り戻すためには、ほんとうの姿を語る必要があると思います。みんなでよい安らぎを犠牲者のみなさんにもたらすためには、一人一人のかけがえのない人生を追求する必要があると思います。だから私は詩を作ってきました。

やまゆりの花がいっぱい咲き乱れる山奥の森で
ランプのあかりが消えた
まっくらな森の中で私はひとり迷い
暗闇より聞こえてくるやまゆりの悲しい声を聞いた
みんな私たちにはじっと耳をすませば
涙ながらに抗議する声が聞こえた
私たちには言葉があるのに
誰もそのことに気づくことなく
私たちはもう闇の中に消えていかなければならない
だからどうか私たちの叫び声に耳をすませてほしい
私たちを暗闇にそのまま置き去りにしないでほしい

 こんな詩ですがどうかどこかに発表させてください。悩みは尽きないけれど詩を書けてほっとしました。

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プロフィール

柴田保之

Author:柴田保之
所属:國學院大學人間開発学部初等教育学科
重度重複障害児の教育、知的障害者の社会教育、介助つきコミュニケーションについて実践的に研究を進めています。

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