相模原の事件について 12月10日

 小学生の少年が、始めに「吟醸」というのはどういう意味かと聞いてきた。日本酒の作り方に関わる名称であることはわかったが、醸造一般に使われるものかどうかはわからなかったのでその場で調べ、そうであることを伝えると満足した彼は、次の詩を綴った。

   吟醸の人生

吟醸の人生を誠実に生きたあのやまゆりの人々に
ぼくは心から
自分の人生をかけた祈りを捧げたいと思う
その人たちの人生には
長い時間をかけて育まれたきた
あまりにも尊い人生があったのだから
そのことをまず世の中は知ってほしいと思う
吟醸の人生という言葉を
ぼくはやまゆり園の人々に捧げたいと思う
吟醸の人生とは
長い時間をかけて発酵した
香りのよいお酒や
香りのよいチーズのように
一朝一夕ではならないものであることを
ぼくたちは知っているから
ぜひぜひその人生を
世の中の人にも知ってもらいたいと思う


  吟醸の人生とは、たとえ言葉がなかったとしてもしっかりと育まれていくものであることを知っている人だからこそ、その吟醸の人生に深く関わることを通して、その吟醸の香りの中に、言葉が確かにこもっていることに気づくことができるのではないだろうか。吟醸の人生にたとえ言葉がなかったとしても吟醸の人生の香りはけっして損なわれるものではないけれど、吟醸の人生の中には言葉もまた含まれていることに気づかなければ本当の吟醸の人生に気づくこともむづかしいはずだから、ぼくはあえて世の中に問いたい。
  皆さんは、この吟醸の香りの中にある言葉の響きに耳を塞ごうとするのでしょうか?






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プロフィール

柴田保之

Author:柴田保之
所属:國學院大學人間開発学部初等教育学科
重度重複障害児の教育、知的障害者の社会教育、介助つきコミュニケーションについて実践的に研究を進めています。

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